なぁ、若い大工たちよ。

なんで君たちは自分が手に持っている木の種類を知らないんだ?

 

寸法測って、切って釘を打つだけなら素人でもできるぞ…

 

時代のせいかな…

 

 

 

日本には約1500種類の木があると言われていて、その内の約100種類が家の材料として使われる。

 

その100種類はすべて特徴が違うんだよ。

 

タンスに桐(きり)が使われていたように、土台には水や湿気に強い栗やヒバが使われたように、全部特徴が違うんだよ。

 

だから木の種類を理解せずに家を造るって罪だぞ!!

 

料理人が何の素材かわからずに料理作ってると思うか?

 

技術も大切だけど、木の家を造るならまずは木を知ることだ。

 

種類が解かってくると、日本の木がほとんど使われていないことに気づくと思う。

 

今、日本の住宅の8割以上で使われているスプルースというアメリカやカナダからくる木↓

シロアリに弱くて湿気にも弱い木。そんな木が柱に使われている。

 

しかも松科だからよくひねる。なかなか質の悪い木だ。

 

こんな木がなぜ使われるかって、理由は1つしかないだろう。

 

ただただ安いからだ!!

 

それ以外に理由なんてない。お客さんはわからんしな。なんだっていいんだよ。

 

昔の人はちゃんと知ってたけどな。「どこどこの大工さんがどこどこの山から切ってくれた○○の木で造ってくれたんよ!」って。最近の人は自分の家が何の木でできているのか、なんでそんなに無関心なんだ?

 

シロアリの大好物でも、湿気に弱くてもいいのか?と思う。

 

「○○さんのおうちはシロアリに弱くて、湿気にも弱くて日本の気候には適していない安物の木を使っておきましたー!」って言われて「あ、そうなんですね!ローコスト住宅じゃけーしかたないですよね!!」なんて人いるのか?

 

知らないだけだ

 

 

梁には米松(べいまつ)が使われるため日本の木はあまり使われない。

 

その結果、日本の山は今どうなってる?

 

荒れ放題だ。

 

 

日本の国土の2割が杉だよ。

 

日本の森林の2割じゃないぞ!!日本の国土の2割だ。

 

そして日本の国土の66%が森林だ。

 

これは先進国の中ではフィンランドに次ぐ世界第2位だ。3位カナダの33.6%、ノルウェーの30.7%をはるかにしのぐ。

 

世界全体の森林率は30.3%だから日本がいかに木に恵まれた土地かわかるだろう?

 

そこに木があるんだから昔から日本人が木の家に住んできたのは当たり前のことだろう。

 

なのになんでわざわざ外国のしょぼい木を使うんだよ。

 

だから今、日本の山は荒れ放題で今回の土砂災害でも見られるように広島だけでも5000カ所も土砂崩れが起きるんだよ。

 

元々広島は山を切り開いた団地が多く、土砂災害危険区域は全国で1位だ。

 

そこにもってきて、山が荒れ放題じゃ土砂災害もおきるわ!と思う。

 

戦後、住宅の需要が増えるのを見越して杉やヒノキが大量に植林されたわけだけど、今切時を迎えているのに使われないんだよ。

 

山は間伐してやらんと。冗談抜きで今、山は泣いている。

 

だから俺は広島の木しか使わない!!!

 

 

台風が起きる条件は何か知ってるか?

 

海水温が27℃以上になった時だ。地球が温かくなってきたってことは台風が来る数も今までより増えるってことだ。

 

地震もいつくるか誰にもわからん。南海トラフでは過去に経験したことのない巨大地震が来る可能性が高いと言われている。

 

30年以内に来る確率はほぼ100%だそうだ。

 

もうデザインデザインっていつまでも言ってんな!とにかく安く!とにかく早くなんて言うな!!

 

デザインじゃ命は守れないんだよ。

 

家ってのは家族を守るもんだ。安心して暮らすための器だ。

 

 

だから今はとにかく勉強しよう。どうやったら良い家が建てれるのか。どうやったら地震に強い家が建てれるのか。火事になった時、何が命を守ってくれるのか。

 

 

今はとにかく丁寧に仕事しよう。スピードは後で必ずついてくるから。

 

もし師匠がスピードスピードって言うんならそんなとこさっさと辞めてしまえ。修行に使う君の大事な5年間がもったいない。

 

仕事を丁寧に、木を学んで、美しい建物をたくさん見ろ!

 

京都の町家を見ろ。

倉敷は美観地区の、なまこ壁の建物を見ろ。

白川郷の合掌造りを見ろ。

姫路城を見ろ。

きっと何か響くはずだ!!

 

これらの建物が建てられた時代に設計士なんていたと思うか?

 

みな大工さんがデザインまで考えて建物を作ってたんだよ。昔の大工さんはデザインまでできたんだよ。それもいまだに美しいと思える建物を。

 

設計士に150万も200万も払うのはあほらしい。その分素材に回せる。だから俺はいつも間取りしか考えてもらわない。全部自分でやるんだ。

 

だから美しい建物をたくさん見ろ。そうすると自分が将来作りたい家が見えてくるはずだ。

 

最近の家づくりで決して満足するな。(俺も含めて)

 

もっといい家を造ろう。

 

木造住宅で家について一番詳しいのは大工なんだから。

 

がんばろう。

 

 

あ、あと手道具は最高のものを使え。

 

ノミ、カンナ、かなづちだ。

 

刃物は常にピカピカに研いでおけ。

 

包丁の刃がボロボロな料理人はいないだろう?そんな刃物で食材切ってたらどう思う?

 

木も一緒だ。ちゃんとした刃物で切ってやれ。木が泣くぞ。

 

おしまい♪