6月末の日曜日に京都まで日帰りで行ってきました。
旧三井財閥の「三井別邸」を見る為です。


高校を卒業してから4年間京都に住んでいましたが、ただの1つも観光名所に行かなかった自分を今ではちょっぴり恨んでいます(笑)
平等院鳳凰堂から車で5分くらいのところに住んでいたんですがそこにすら行っておりません。当然、清水寺や金閣寺なども行っておりません。
そういった観光名所ではなくても、京都にはまだまだ見るべき建物があるなと実感しましたね。
この三井別邸という建物は明治の時代に建てられて、大正時代に移築された建物だそうですが、和と洋がうまくマッチしているなという印象。


昨年行った江戸東京たてもの園にあった三井の家も同じように和と洋の建物でした。
窓ガラスには「大正ガラス」というガラスが使われており、「割ってしまうともう二度と手に入らないので十分にお気をつけください」と言われておりました。

現代のガラスはと言いますと、蒸気で膨らませているため歪みのないガラスが出来ていますが、大正以前のガラスは人が口で吹いて膨らませていたため、歪みがあったそうです。だから光の屈折で向こうが歪んで見えたそうですよ。
ガラスまで人力で作られていたんですね。
家の中はと言いますと、もちろん木と土と漆喰で作られています。現代ではこういった家を「自然素材の家づくり」なんて言うのでしょうが、当時は絶対にこんなキャッチフレーズみたいなものはなかったはず。
ベニヤやビニールクロスなんてものはなく、全部が自然の素材ですからね。
少し前にRCCラジオの横山雄二さんが言っておられました。
「南米やアフリカのジャングルみたいなところに住んでいる人に自然なんて概念はない」と。
現代の家づくりでは自然のものを探す方が難しいですからね。
柱や梁は集成材、フローリングはベニヤ、壁や天井はビニール、風呂はユニットバス、窓枠やドア枠もドア本体もすべて石油からできたもの。キッチンだってそう。断熱材もそうじゃし自然のものは全くないと言っても過言ではないです。
だから家の寿命が日本だけ極端に短いんですよ。素材が生きてないから。呼吸してないから。

木で例えるとわかりやすいと思います。
木は伐採して乾燥しながらどんどん強度を上げていきます!とある本には「木は樹齢×3倍の年にピークがくる」と書いてあります。
例えば樹齢50年の木だと150年後にピークを迎えて、そこからさらに50年かけて伐採当時の強度に戻り、あとはゆるやかに強度を落としていくそうです。
どんどん成長して行くのは人間と一緒なんですよ。
こういったことは石油製品にはまずないことです。素材が死んでいますから。
日本建築が長持ちするのも素材が生きているからです。
30年そこらで家にガタが来てもらっちゃ困る!という方は自然の素材で家を建ててください!
築20年前後でダメになった家をたくさん見て来ましたから!直してきましたから!間違いないですから!!
おしまい♪